CONTENTS

お役立ち記事

[酒類販売業免許]

【お酒の海外販売ができる】輸出入酒類卸売業免許の解説

  • 投稿:2025年02月12日
  • 更新:2025年02月13日
【お酒の海外販売ができる】輸出入酒類卸売業免許の解説

「海外に日本のお酒を販売したい」というご相談をよくいただきます。
日本のお酒は日本酒を中心に、地域性・オリジナル性も含めて海外で非常に注目を集めています。

では、越境ECサイトで海外に酒類を販売しようとする場合、どのような手続きが必要となるのでしょうか。

本稿では越境サイトに特化し、輸出入酒類卸売業免許について詳しく説明していきます。

輸出入酒類卸売業免許の概要

輸出入酒類卸売業免許は、酒類卸売業免許入のひとつです。

お酒を販売するには、酒税法という法律に基づき、販売場ごとに酒類販売免許を受けなければなりません。酒類卸売業免許とは、酒類販売業者や製造者を対象とする卸売販売の免許です。主に下記のように区分されます。

酒類卸売業免許
・全酒類卸売業免許
・ビール卸売業免許
・洋酒卸売業免許
・輸出入酒類卸売業免許
・店頭販売酒類卸売業免許
・自己商標酒類卸売業免許

輸出入酒類卸売業免許を取得するには

輸出入酒類卸売業免許とは、自己(自社)が直接海外の消費者や酒類取扱業者への輸出(入)を行うことができるようになる免許です。

国税庁の手引き書には「輸出入酒類卸売業免許」と表記されていますが、「輸出」と「輸入」はそれぞれ別の免許となっています。輸出だけする場合は輸出卸売業免許、輸入だけする場合は輸入卸売業免許の申請となります。輸出も輸入も両方するのであれば、輸出・輸入、両方の卸売業免許を申請します。

輸出入酒類卸売業免許の取得要件

輸出入酒類卸売業免許の取得要件を確認していきましょう。

職務経歴、過去の違法行為の有無などがチェックされ、営業所の所在地や建物の所有権といった情報も審査対象となります。

人的要件

「人的要件」は、酒税法の第10条1号から8号に規定されています。

  1. 申請者が酒類製造免許若しくは酒類販売業免許又はアルコール事業法の許可の取消処分の取消処分を受けた者で、取消されてから3年が経過していない
  2. 法人の免許取消処分を受けた日以前1年内に、その法人の業務執行役員であった者で、取消処分を受けた日から3年を経過していない
  3. 申請者が未成年者等で、その法定代理人(酒類等の製造又は販売に係る営業に関し代理権を有するものに限る。)が欠格事由(1号、2号、7~8号)に該当する
  4. 申請者、または法定代理人が法人の場合で、役員が欠格事由(1号、2号、7~8号)に該当する
  5. 申請者が欠格事由(1号、2号、7~8号)に該当する者を製造場の支配人にしようとする
  6. 申請者が、申請前の2年以内に、国税または地方税の滞納処分を受けている
  7. 国税・地方税に関する法令、酒類業組合法、アルコール事業法の規定により罰金刑に処せられ、または、国税通則法等の規定により通告処分を受け、刑の執行を終えた日から3年を経過していない(7号の1)未成年者飲酒禁止法、風俗営業等適正化法、暴力団員不当行為防止法、刑法、暴力行為等処罰法により、罰金刑が処せられ、刑の執行が終わった日から3年を経過していない(7号の2)
  8. 禁固以上の刑に処せられ、刑の執行が終わった日から3年を経過していない

場所的要件

「場所的要件」について、酒税法10条9号に下記のように記載されています。

「正当な理由がないのに取締り上不適当と認められる場所に製造場又は販売場を設けようとする場合」

加えて、以下の2点に該当する場合は「場所的要件」を満たさないとされてしまいます。

  1. 申請販売場が、製造場、販売場、酒場、料理店等と同一の場所である場合
  2. 申請販売場における申請者の営業が、販売場の区画割り、専属の販売従事者の有無、代金決済の独立性その他販売行為において他の営業主体の営業と明確に区分されていない場合

経営基礎要件

経営基礎要件とは、法人や個人の資産状況や経験が、酒類販売業をおこなう上で十分な状態であるかどうかの判断です。具体的には、下記にまとめた点が求められます。

・税金の滞納をしていないこと
・銀行取引停止処分をうけていないこと
・最終事業年度の決算で繰越損失が資本等の額を上回っていないこと
・直近3事業年度の全てにおいて20%を超える欠損が生じていないこと

経験については、税務署が発行している手引き書には下記のように記されています。

【経験その他から判断し、適正に酒類の小売業・卸売業を経営するに十分な知識及び能力を有すると認められる者】

事業の『経営経験』と『酒類事業での従事経験』があるかどうかが、判断材料になってきます。

酒類事業というのは、酒類販売業免許(酒類製造業免許)を受けた製造業また販売業のことを指します。そこで従業員として製造および販売に携わっていた経験が酒類事業での従事経験となります。

経営基礎要件については別の記事でさらに詳しく解説しています。ご興味ある方は是非下記からお読みください。

需給調整要件

酒類事業を行うにあたり、適正な仕入れや流通による販売管理が保てるかどうかを判断します。酒税の保全上、酒類の需給の均衡を維持する必要があるためです。

  • 販売先が限定されているような場合
  • 酒場、旅館、料理店を取り扱う接客業者でないこと

輸出入酒類卸売業免許の申請について

輸出入酒類卸売業免許の申請に当たっては、販売業免許を受けようとする販売場所在地を管轄する税務署に提出します。税務署の審査機関は約2か月となり、審査の途中で申請内容の確認や、追加書類の提出を命じられることもあります。そうなると更に多くの期間を要してしまうため、急いで取得を目指している場合は特に注意が必要です。

輸出入酒類卸売業免許の登録免許税は、1件につき90,000円となっています。

審査を通過し合格すると、書面で通知されるので、上記の登録免許税を納付して免許の付与という流れになります。

輸出入酒類卸売業免許の必要書類

輸出入酒類卸売業免許の申請にあたり、酒類販売業免許申請書(申請書次葉1から5含)が必要になります。さらに数多くの添付書類を作成し、提出しなければなりません。ここでは輸出入酒類卸売業免許を取得するために必要となる書類をご紹介いたします。

  1. 申請書
    • 酒類販売業免許申請書
    • 販売業免許申請書次葉1「販売場の敷地の状況」
    • 販売業免許申請書次葉2「建物等の配置図」
    • 販売業免許申請書次葉3「事業の概要」
    • 販売業免許申請書次葉4「収支の見込み」
    • 販売業免許申請書次葉5 「所要資金の額及び調達方法」
  2. 添付書類
    • 酒類販売業免許の免許要件誓約書
    • 申請者の履歴書(法人の場合は、監査役を含めた役員全員の職歴を記載)
    • 定款の写し(申請者が法人の場合)
    • 地方税の納税証明書
    • 契約書等の写し
    • 最終事業年度以前3事業年度の財務諸表
    • 土地及び建物の登記事項証明書

輸出入の免許で販売できる品目

輸出入酒類卸売業免許を取得すると、「自己が輸出(入)する酒類の卸売」の販売が可能になるのでした。そのうえで、販売可能な品目を限定する内容は、国税庁の手引書には記載されていません。

酒類卸売業免許のひとつに、洋酒であれば輸入酒・国産酒問わず販売できるようになるうえ輸出入も可能となる「洋酒卸売業免許」があります。

輸出入酒類卸売業免許との違いを説明します。

輸出入酒類卸売業免許と洋酒卸売業免許との違い

洋酒卸売業免許
扱えるお酒はあくまで洋酒のみ。洋酒に限り、仕入れも販売も国内外問わず輸出入が可能
輸出入酒類卸売業免許
自己(社)が直接輸出入したお酒であれば、酒類の全品目を取り扱うことが可能。仕入れ先(輸入卸)・販売先(輸出卸)はあくまで海外となる

輸出入免許での国内販売は不可

日本国内で、一般消費者向けにインターネットでの販売をする場合は通信販売酒類小売業免許が必要になります。

海外の消費者向けに通信販売を行う場合は、今回取り上げている輸出入卸売業免許の取得が必須条件となります。

販売先が一般消費者であっても、海外向けに取引することは輸出事業となり、輸出卸売業免許が必要となるのです。国内と国外の違いを、しっかりと覚えておきましょう。

関連記事
【お酒の海外販売ができる】輸出入酒類卸売業免許の解説

お問合せ

CONTACT

ご質問やご相談がございましたら、お気軽にお問合せください。
当事務所の専門スタッフが丁寧に対応いたします。

お問合せフォーム

24時間365日受付

Chatworkから相談する

コンタクト追加後お問合せ下さい。

LINEから相談する

友だち追加後お問合せ下さい。

対応地域

東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県を中心に全国オンライン対応

初回相談は
無料です

お問合せ

CONTACT

ご質問やご相談がございましたら、お気軽にお問合せください。
当事務所の専門スタッフが丁寧に対応いたします。

お問合せフォーム

24時間365日受付

Chatworkから相談する

コンタクト追加後お問合せ下さい。

LINEから相談する

友だち追加後お問合せ下さい。

対応地域

東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県を中心に全国オンライン対応